令和5年11月 金剛寺住職総集法話


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嘗て、勝海舟さんが「行いは己のもの。批判は他人(あんた)のもの。俺の知った事じゃない」と。いやはや、ほんと、同感ですな。印象としては、動かない人間に限って、文句や講釈を言いよりますもんね。文句も、建設的な意見を含んだ文句なら大歓迎ですが、只々、感情に任せた文句、誹謗中傷なら、3才の幼児でも親に向かって言いよる。せめて、動いている人間の邪魔だけは、してもらいたくないもんですな。拙僧の法話読者で、他宗のご住職が「わが宗では、年収300万円以下の寺院が、45%もあります。年収50万円以下の寺院においては、10% にて。住職の給料どころか、お寺の維持費にも足りません。よって、後継する者がなく、次々と廃寺(住職不在)に。『先祖を大事にする檀家さんが存在する間は、それまでは、頑張ろう』と皆(知り合いの住職達)、学校の先生や様々アルバイトをしながらでも、お寺の維持を必死に」と。

このご住職が「コロナの前からそうでしたが『親の葬式は、自分の好きな人(子供の知り合い)だけを呼ぶ。親が好きだった人、親と付き合いのあった人は、私達は知らないし、気を使いたくないから、呼ばない』という子供が増えてですね。誰の為の葬式なんでしょうかね。故人に世話になったは、家族だけじゃないのに。『通夜、葬儀は、故人への御礼報謝だよ』と、ある程度は言って聞かせておるんですが、聞く耳を持ってくれないですね。まあ、それでも『葬式などしない』とまでは言わないので、それだけでも、まあ、いいか、と自分を納得させております」と。更に、このご住職が「住職(拙僧の事)は、孤独死というをどう定義付けされていますか」と。「そうですね。独居暮らしで、死後に発見されるが、孤独死であるに違いはありませんが、家族、親族が何人おろうと、誰1人も故人を弔う気持ちのない葬式もまた、故人にとっては、孤独死でしょうね」「その様な葬式をした事はありますか」「1000人近くも葬儀をしてまいりますと、そりゃ、ありますよ」「弔う気もないのに、何故にその家族は、葬儀をするんですか」「一言で言うと、世間体ですね」「その様な家族は、その後は、どうなりますか」「拙僧の狭い経験範疇ではありますが、大半は家庭崩壊していきます」と。

因みに、日本には、約77000の寺院が存在を。コンビニが約52300というから、その多さは際立ってますよね。が、その内の2万ヶ寺以上の寺院が、現在既に、住職不在状態に。将来は、5万以上の寺院が住職不在になるとの事。寺院だけの話ではないですよ。2040年までには、人口が急減し、900近い自治体が消滅する可能性があると。『そうすれば、そうなる』は、当たり前の事にて。『そうなっているのに、まだ、そうするか』を続けていくのかな、という問題。人口減少も、環境破壊も、犯罪大国も、世界大戦も、人間の欲がやらかしてきた事の結果が、出ているだけなんだが。また、寺院、神社に限らず、企業も寿命が短くなってきましたよね。東京商工リサーチ調べでは、2022年度の企業寿命は、23、3年で、新興企業の短命化が進んでいると。これは、5年程前の話ですが、ある会社の代表が「新入社員が長続きしない」と拙僧に。「理由は、わかってるんですか」と問うと「新人育成問題です。中堅クラスが自分の仕事もあってか、面倒臭がって『何度教えればわかるんだ』と、きつい言葉を。それに耐えられず、辞めていく新人が続出を。何か、策はありませんかね」と。対し、拙僧「私の祖父は戦後、満州(彼の地で土木会社を経営)から戻り、北九州で会社経営を。その時、新入社員の教育は、退職された方々をパートで雇い、手取り足取り指導してもらってましたよね。退職者は、小遣い稼ぎと生き甲斐を貰え、新入社員は、温厚な退職者(自分の仕事に追われてない優しい老齢)から、納得出来るまで手厚く指導してもらえ、これで、良き人材が育ったみたいですよ。参考になれば、これを参考に」と、この代表に。更に、この代表に「ある知人の会社では、幹部連中が『イノベーション、イノベーション(新発想)』と声高に訴える割には、凝り固まった自分の考え方を、部下に押し付ける傾向が強い為、そこで社長(知人)が、徹底的に幹部研修を。幹部の力量が頭打ちでは、それ以上の伸びは期待出来ませんもんね。その幹部が会社の頂点に君臨しておりますもんでね、組織力も自ずと停滞を。新たな知識や考え方を身に付けずば、何年経ってもマンネリ化の打開は期待出来ないでしょうね。向上心のある若い社員は『この会社から、得るものは何もない』と見切りを付けて他の会社へ。残るは、事勿れ主義者か、恩義に厚い者、と、その社長(知人)が」と。

【自覚なき者】

読者男性が「住職さん、ある日突然、妻がブチ切れて『別居する』と私に言い出して、訳を聞くと『自分で考えろ。自覚ないんか。何度も、何度も、注意したぞ』と、更に、激怒を」と。「じゃ、ある日突然の話じゃなかったんだ。あなた、本当に身に覚えがないの」と尋ねると「いや、ないという訳では。私の潔癖のせいではないか、とは思うんですが」「結婚生活は何年ですか」「15年を超えました。妻は、私の潔癖症を結婚前から知ってたはずなんですが。だから何で、今更、と」「なるほど。やっぱり、あなたは自覚がないんだね」「自覚がないって、どういう事ですか」と。「15年前の頃の潔癖症より、今現在のあなたの潔癖症の方が、間違いなくエスカレートしてると思いますよ。今、あなたが身に付いている潔癖は、今現在の時点で持ってる知識からなる潔癖症でしょ。潔癖の情報が新しく入ってくる度に、どんどんエスカレートしていくばかりですよ。奥さんは恐らく、我慢の限度を越えたんだろうね」「どうしたら、いいですか」「これ以上、潔癖の知識を入れない事だね。例えば、ですが『ゴキブリは、洗わない手と不潔さは、大差はない』と、その筋の専門家が言われておりました。そう考えたら、ゴキブリを過度に嫌う必要なんてないですよね。人間は、ゴキブリと同等の不潔な手と、四六時中一緒に過ごしてるんだから。生理的にあの様相が気持ち悪い、というは別にして。英国では、ゴキブリは『幸運の虫』という事で、引っ越しの時には、前の家から数匹連れて、新たな住まいに行くらしいですよ」「そうなんですか」「そりゃ、皆が皆、そうするとは思えませんが、英国人と結婚して25年間、ロンドンで住んでいる妻の妹が『英国人は、日本人みたいには過度にゴキブリを嫌ってないよ』と言ってますよね。潔癖症はどこかで、拘り過ぎを抑える必要がありますよね」と、この過度の潔癖症読者男性に。

続けて、この読者男性に「この話は余談ですが、江戸時代、臨済宗の良寛さんの庵に、旅人が一夜の宿を求めに。対し、良寛さんが『これで足を洗いなされ』と桶を。次の朝『これで顔を洗いなされ』と、昨夜の足洗い桶を。『えっ』と躊躇する旅人に『早く顔を洗ってくれんかい。その桶で米を洗わにゃならん』と。この話を檀家さんに話すと『そりゃ、良寛さん。汚いがな』と。対し、拙僧『その桶が、何に使われていたかを知らなければ、平気で使う事が出来るでしょ。良寛さんもその桶で洗った米を食べる訳だから、綺麗に洗って使ってるでしょ』『そういう事か。良寛さんは、拘るな、と言いたかったんだね、住職』と檀家さんが。一時期、食堂厨房の料理人が、料理に自分の唾を吐き掛けて、お客さんに出していたという報道が流れたでしょ。そんな事をされていても、それを知らなかったら、お客さん達は『美味しい、美味しい』と平気で食事をするでしょ。『そんな事(唾吐き)をしてるんじゃないか』と、いちいち疑っていたら、外食など一切出来ないですわな。この外食に限らず、人間って、知らないで済む事なら、知らないでいた方がいい、という事も少なからずありますよね」と。

因みに、昆虫学者の梅谷献二さんが「ゴキブリは、世界に5千種いる。日本にいるは60種、その中で屋内にいるは10種。3億年以上前に出現し、姿を変えずに現代まで。食器を舐める習性に由来して江戸時代には『御器噛り(ごきかぶり)』の名が。野口雨情の童謡『黄金虫(黄金虫は金持ちだ • • • 』の黄金虫は、ゴキブリの事だと。沢山住み着くと、裕福になるという伝説が。拙僧のお寺は、山の上にあるので、ゴキブリやムカデは、なんぼでも家の中に。拙僧に見つかった時は、その子らはまだ、寿命が。が、拙僧の妻や、同居している妻の母親に見つかった時は、その子ら(ゴキブリ、ムカデ)は、それまでの寿命にて。



令和 5 年 11 月分 金剛寺住職 臨時法話


他宗の若住職(26歳、拙僧の法話読者)さんが「住職さん(拙僧)、ちょっと聞いて下さいよ。檀家の男性が『新車を買ったから、交通安全祈願をしてくれ』と。ややこしい(文句言い)人だから、嫌だな、と思ったんですが、一応は真剣にご祈願を。すると、5時間後に『お祓いをしたのに、事故したやないか。祈願料を返せや』とお寺に怒鳴り込んで来ました。亡くなった父親(先代、行年47歳)から『この人には、気を付けろ』と言われてはいたんですが。祈願料は煩いので返しましたが、その事故の内容を尋ねると、どうも赤信号を無視して交差点に突っ込んだみたいで。どうも、と感じたは『自分は悪くない』をやたらに強調していたので『こりゃ、話半分だな』と。相手を怪我させた事も、免停になった事もあってか、私に八つ当たりに来たみたいで。そんな事をすりゃ、事故を起こしますよね。神仏も『いったい俺に、何を期待しとるんだ』と言ってますよね、住職」と。

似た様な話といえば、こんなのもあります。檀家の女性が「風水を見る人から『空気を浄化させる為に、部屋の中に観葉植物を置け』と。これ、どう思いますか、住職。あんなの1本置いただけで、そうなるとは思えないんですが」と。対し、拙僧「その道に明るい専門家が、部屋を浄化させる為には、小さな鉢植えだと、5千本(鉢)は必要だと言ってたよ。普通の換気扇を使った方が、確実に浄化されると」「実際は、そうですよね。だけど、心の癒しには、効果はありますよね」と。「そうだね。気分転換の作用はあると思うよ。だけど、土の鉢に植物とくれば、部屋内の環境はどうなのかな。悪くならんかな。暖かい室内で土に水をやると、カビやダニが繁殖しやすくなるだろ。百歩下がって、ベランダならいいかもしれんが、それでも、置かない方がいい様な気がするよね。『観葉植物を部屋内に置いていいと思うか』と問われたら『拙僧なら、置かないかな』と答えるかな」と。「ところで住職、この観葉植物の話ですが、なんか、憲法9条の話みたいですね」「んっ、どういう意味だい」「置いていたら(あれば)、一応は安心(癒され)出来るが、実際には、殆ど効力はない。自己満足の範疇でしかない、という事」「ほう、なるほど」と。この法話を読まれた読者が「住職さん、風水関連の相談って、どうですか、多いですか」と。「時折ですが、ありますね。家相を見る人(占い師も含む)から『便所、風呂、台所の位置が悪い。あなたが人生をうまく歩めないは、それが問題である』と言われ、落ち込んで相談に。対し拙僧、その落ち込んでいる人達に『あのね。毎日、毎日、大小便をさせてもらってくさ。毎日、毎日、身体を清めてもらい、心を癒してもらってくさ。毎日、毎日、命を保つ為の、食を作る場所を提供してもらってくさ。不満を抱く前に、有難うございます、が先でっしゃろ。感謝をするが、何よりの風水ですばい」と。

因みに、植物も生き物だから、酸素を吸って、二酸化炭素を吐き出します。みんな、勘違いしてる様ですが、光が刺す昼間だけだもんね、二酸化炭素を吸って、酸素を出しているは(光合成)。「寝室なんかに観葉植物を置くと、人も植物も二酸化炭素を出すから、朝の頭痛の原因になりますばい。どうしても置きたいなら、寝室は避けなさい」と、その道の専門家が言っておられました。

【ジャニーズ問題】

ジャニーズ問題で今日まで、方々(檀家、知人、SNS内など)から様々意見を求められてきましたが、拙僧、全く存じ上げない事なので、言葉を控えておりました。が、あまりにそれに対する意見を問われるので、その質問者達に「これは、あくまでも、拙僧の私見だよ」と、一言だけ添えて、以下の内容を回答しました。

この問題が拙僧の耳に、最初に入ってきたは、今から40年程前の大学生の時代だったかな。ジャニー喜多川さんに『誰が、何を、された』等の噂は、芸能界に殆ど関心のなかった拙僧の耳にまで入ってきておりました。その時、拙僧「ありもせん事を誰かが、面白おかしく、垂れ流してるだけじゃないの」と、噂話を持ってきた友人達に。人の口とは恐ろしいもので、1人の人間に『あの人、嫌いなんだ』と打ち明けた言葉が、数人の口を渡れば、尾鰭(おひれ)羽鰭(はひれ)が加わり、ある事ない事、何倍にも膨れ上がって広がっていく。今は、その役目(良しも悪しきも含んだ広報)を大いに担っているが、SNS ですかね。ところが、その噂話(ジャニーズ問題)が昨今、事実であった事が判明した様で。それに対し、現在、東山紀之さんと井ノ原快彦さんが、矢面に立たされ『あなた達は、この事を知ってたんでしょ』と詰め寄られる状況に。ギャーギャー槍玉に挙げられている報道番組が目に入る度に、どうしても違和感を感じずにはおられませんよね。

ジャニー喜多川さんが、ジャニーズ事務所を開設したは、1962年、拙僧が生まれた昭和37年の頃と。東山紀之さんは1966年の生まれにて、開設は生まれる4年前の事。井ノ原快彦さんは1976年の生まれにて、開設は生まれる14年も前の事。まさか、オギャーと生まれて数十年後に、他人のやった罪を自分が背負わされる事になろうとは、恐らく夢にも。いつからジャニー喜多川さんがそうなった(性加害者)かは知りませんが、この問題を薄々でも聞き知っていただろう、この間の大人達(関係者)は『いったい何をしていたんだ。問題意識を持たなかったのか』という話にて。ところが、記者会見やワイドショーでは「東山紀之さん、井ノ原快彦さんが、子供時代の頃は兎も角、大人になっても黙っていたは、罪ではないのか」と、その様な口調で正義感丸出しに吠える人達が。この両人『この問題は大変だから、矢面に立つはやめよう。受けまい』という選択肢もあったのに、あえて自ら針の筵に身を置いて、何かしらの解決を見出そうと。それを責めるような世間の流れ、これって、どうなの。この何十年もの間、ジャニー喜多川さんに忖度(その場の利益の為に)して、口を閉じてきた人達(関係者各位)の責任はどうなのかな、と思いますが。この問題は、ジャニー喜多川さんが在命の時に、どうにかしなければならなかった問題であったはず。それが、姿を消した(絶命)途端に『スケープゴート(生贄)が出てきた』とばかりに、一斉に声を上げて、責任を背負った東山さんと井ノ原さんの吊し上げを。このお2人が選ばれたは、この問題に対し、冷静に、頑強に、対処(賠償)出来ると、関係者が踏んだからかな。性加害が露見した後、いきなり人生の方向を変えられて、それでも、解決(被害者救済)に向けて頑張ろうとされているお2人を、寄ってたかって、的に。黙ってその成り行きを、見てられないのかな、というが、事情を殆ど知らない拙僧の勝手な見解です、と方々の質問者達に。因みに、このジャニーズ問題ですが、ジャニーズだけの問題なんでしょうかね。そこらじゅうを叩いたら、なんぼでも埃(性加害問題に限らず、いじめ問題も然り、家庭問題も然り、政治問題も然り、国内事情様々類似問題)が出てきそうな気がしますが。この際、自分にも問い掛けてみる、よい機会かもしれませんね。檀家さん達には、常々拙僧「目に入って来るもの、耳に聞こえてくるもの、これ全て他人事にあらず。自分の生き様を問い掛けてみる、絶好の機会(縁)と受け取った方がいい。当事者を批判する暇など、ありまっせんばい。親がしでかした悪行(借金、浮気など)により『どうせ、あの親の子供だ。同じ事をしでかすに違いない』と、自分達の子や孫が、いわれなきレッテルを貼られる事のなき様に」と。

【追伸】

読者の方が「ジャニーズ問題は、どう解決するがいいと、住職は思いますか」と。「内部者じゃないので、全く見当も及びませんが、こんな話が逸話としてあります。源頼朝公が、弟の義経公と弁慶に『一碗の米を潰して、糊(のり)を作れ』と命令を。すると弁慶は、お椀を手に取り、いきなり力任せに潰し始めた。対し、義経公はしばし考え、数粒づつ取り出し、丁寧に潰し始めた。勝負は、所要時間も、仕上がり状態も、義経公に軍配が。頼朝公が出したこの命令の意図は『がむしゃらにやればよい、というものではない。その本質と手段の見極めが大事』なるを教えるため、だったのかな。ところで君は、三猿『見猿、言わ猿、聞か猿』というを知ってるかい」「一応は」「あの三猿の意味の中には『見てはならん。見なきゃならん。言うてはならん。言わなきゃならん。聞いてはならん。聞かなきゃならん』なる意味も含まれていてね。つまり、拙僧の考えるジャニーズ問題解決の進め方は、これなのかな、と勝手に思ってる」「なるほど、そういう事か。急がにゃならん問題ではあるが、急ぎ過ぎては丁寧さが欠ける、という事ですね」「御意。周りが、ギャーギャー、ギャーギャーと騒ぎ立てたら、誠意に対応しようとしている人達の動きに、支障が出るんじゃないかな、と勝手に心配しています」と。まあ、繰り返しになりますが、ジャニー喜多川さん本人がいる内に、騒げよ、という話にて。

天徳山 金剛寺

ようこそ、中山身語正宗 天徳山 金剛寺のホームページへ。 当寺では、毎月のお参りのほかに、年に数回の大法要も行っております。 住職による法話も毎月のお参りの際に開催しております。 住職(山本英照)の著書「重いけど生きられる~小さなお寺の法話集~」発売中。