令和2年6月分 金剛寺住職(コロナ関連)短文法話集【その3】
人間の欲に歯止めが効かなくなった時、天はそれなりの人物(その他)を下生させ、荒療治を成し、リセットを。戦国時代には、信長公を。第二次大戦では、ヒトラーを。14世紀には、ペスト(1億人死亡)を。1918年には、スペイン風邪(5000万人死亡)を。地球は人間だけの物といわんばかりに、圧倒的に多い他生物の命(生息領域)を軽視し、自然破壊を繰り返し続けた結果、生態系が崩れ、方々で天変地異が。『そうすれば、そうなる。そうなったのに、まだ、そうするか』を自身に問い掛け『分相応に生きる』を、見直す時期に。
下記は、読者の質問に応じた拙僧の返答集。コロナ発生初期から、移り変わっていく人の心情が鮮明に。自然災に限らず、人生においても考慮すべき質疑応答にて。今後の参考にしていただきますれば、と。
【3月初旬法話読者の質問に答えて】
他宗団の後継者から「ご住職は信仰なるものをどう捉えていますか」と。「例えば、春の訪れは、鶯が鳴かずとも容易に知る事が出来る。が、鳴いてくれれば、春に彩りを添えてくれる。信仰の役割は、当にこの鶯の鳴き声。『人生に信仰は必要か』と問われれば『絶対に』とは言えない。が、あれば人生に彩を。これかな」と。
【追伸、信仰で高額布施をだまし取られた方からの問い掛けに】
深作監督『仁義なき戦い』で文太さんが松方さんに「狙われる方より、狙う方のが強いんや」と。何にしても騙す方が悪いに決まってる。が、この手の相談で来られた方々の特徴は、過度の強欲、努力嫌い、責任放棄、で心の隙を狙われた、かな。この度の感染もそう。『自分の身は自分で守る』が基本。病は隙を付いて来る。
【追伸】
トイレットペーパーのデマ元が発覚、と。ちょっと踊らされ過ぎかな。ワイドショーで「何が良い」と言えば即、店頭で品切れ。その流行も僅かの間だけ。諺に『人の噂も75日』と。『飽きやす、好きやす』だもんね、日本人は。そりゃ、洗脳し易いから紛い信仰も蔓延る。そしてこの度も。少し落ち着こう、禁止事項を守って。
【追伸】
時々「信仰の存在意義は何ですか」との質問を。対し「医学に置き換えれば、免疫を高める役割。人は皆、病気からは逃げられん。されば、なるべく患わぬよう、患っても、早く回復に向かうよう、常日頃からの摂生が大事。常に不満を抱かず、現状を受け止め、それを自らが越える努力を。これを後押しするが、信仰かな」と。
【追伸】
90歳檀家婆様が乳癌の手術を。術後の夕刻、病室を抜け出し散歩。医師の注意に「寝てばかりだと呆けるわ」と。今1人は、88歳婆様が脳動脈瘤の手術を。抜糸の時、医師に「よく数えろ。ホッチキスの芯が1個、残っとろうが。暇だから毎日数えてたんだ。しっかりせい」と医師を一喝。腑抜けた私達には良き手本にて。
【追伸】
拙僧の知人老人達、並びに、檀家高齢者の範囲に限った事ですが、マスク、トイレットペーパーを買占めに走る人、品不足に文句言う人、等はいないかな。それをするは、老人以外の人達にて。「どこに菌がおるか、わからんのに、感染したくないからと、マスク探して回ったら、そっちの方が感染するがな。意味がわからん。何やっとんのじゃろ」と老人達が。だからといってこのご老人達、感染に対し軽視しているわけではなく、うがい、手洗いは頻繁に。人混みの中は極力避けた生活を。つまり「成るように成る。成る様にしか成らん。静観して待つしかない」と。こうした爺様、婆様と同居している孫達は、よか教訓を貰ってるみたいですばい。
【追伸】
このご老人達が「住職よ、息子らが『報道番組で、トイレットペーパーはある、と度々。が、どこに行ってもない』と散々に文句を。そこで、言ってやったんじゃ。『運送トラックは、ペーパーだけを運んでるじゃない。お金さえ出せば、何でも手に入る環境(国)で生活してきとるから、工夫する知恵がない。文句言わんで、使えそうな物を工夫して使え。ない物強請りすな。少しは大人しく待っとれ』と。あかんな、この国は」と。
【3月初旬法話読者の質問に答えて】
起業希望の若者が「住職は歴史上で、有能リーダーは誰と」と質問を。「平清盛公かな。前例のない物を産み出してきた方。日宋貿易の為、関門から瀬戸内海航路を。大型船入港の為、人工島(経ヶ島)を。貨幣経済導入も。海と陸の境に厳島神社も建立。協力者達は恐らく、ワクワクしながら手伝ってたんじゃないのかな」と。
【追伸】
常識を疑う事から、イノベーション『新発想、新しい捉え方』が始まる。新しい事が始まったら、それが常識となるまで、文句を付けてくる人間がわんさか出てくる。新型ウイルスが出て、免疫が付くまで、騒ぎ立てる様も同様。嘗て、大リーグ行きを表明した時「天狗になりおって」と、この国の人達は、野茂さんを総攻撃。が、1年目で結果を出すと、掌を返して「野茂、野茂」と応援に転じた。人の評価など、その程度。気にしていたら、新しい事は何も出来ん。常に、世の中を変えてきたは、少数意見側の勇気ある行動にて。
【追伸】
国会を見ていると、野党がクルーズ船の初期対応で、政府や総理を批判、追及。各国も同様に日本政府を。が、批判するばかりで「こうした方が良かった」の意見が何処からも。その策があらば、たった今からでも試せるのに。まだ「これ正解」が出てない状況で、何に対して批判をしているのか、さっぱりわからん。更に、この段階で既に、発症原の擦り付け合いを。人類はこの先もずっと、ビールスとの闘い。こんな事では、ね。
【3月初旬法話読者の質問に答えて】
PTA講演で「諺に『長者三代続かず』が。親の築いた財を、苦労知らずの子供が働きもせず使い切り、孫がその清算をさせられる、という悲惨な流れ。この様な家は少なからず。西郷隆盛さんが『子孫の為に財を残さず』と。上げ膳、据え膳、してもらって当たり前、の環境で子供が育てば、感謝は育たず、出るは不満だけ」と。
【追伸】
親の浪費による借金生活を、高校時代には批判していた子供が、親と同じ年齢になって、同じく浪費による借金生活を。そして今度は、孫が同じ様に。こういう家庭を拙僧、今日まで何組も相手を。子供は親の言う通りには動かん。親のする通りに動く。子供は国の宝にて。1つ1つの問題に対し、大人がどの様に取り組んでいるかを、子供達はじっと眺めている。躾は「するもの」じゃない。躾は「見せるもの」にて。(檀家婆様語録)
【3月初旬法話読者の質問に答えて】
一連の余震を含め、約1万6千人の死者を出した東北大震災から9年。宮城に嫁いでいた檀家の娘も九死に一生を。後にその娘が「何が悲しかったかと言えば、全国で『絆』エールが。が、復興が始まり廃材問題が出た途端『わが県に持ってくるな』と反対運動勃発。他人事の時は冷静だった人達が、わが身に降り掛かると」と。
【追伸】
人間は『追い込まれた時、腹を立てた時、第三者の目がない時、自分の身に降り掛かって来た時』に、その人の本性が出る、と。この度のコロナ感染でも、その傾向が。「人間は反省が出来ないですね」と読者が。「人間(命)の誕生と同時に、新たな欲も、次々に誕生。これは止めようがない。だからこそ、教育は大事」と。
【追伸】
檀家老人が「住職、ヤフー見てるか」と。「見れるんだ、爺様」「見れるわい。各国首脳のなすり付け合い、ありゃなんだ。『こうなったは、あいつ、こいつのせい』と。『いいや、本当は、あいつのせい』と。どうでもいいわ。日本でも薬店入口の張り紙に『マスク、無い物は無いんだ』と。余程、店主、頭にきたんだろうな」と。
【追伸】
檀家若者が「曽祖父は自分の成功の話は一切せず、口を開けば自身の失敗談を」と。「成功の話は自らが言わんでも、周囲から聞こえてくるもんね」「なるほど」「家康公は三方ヶ原大敗後、自戒の為『しかみ像』を家来に書かせたと。人は失敗した事をを忘れない間は、同じ過ちはしない。が、忘れた途端にまた、同じ過ちを」と。
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