令和 2 年 7 月分 金剛寺住職(コロナウイルス関連)短文法話 【その4】

人間の欲に歯止めが効かなくなった時、天はそれなりの人物(その他)を下生させ、荒療治を成し、リセットを。戦国時代には、信長公を。第二次大戦では、ヒトラーを。14世紀には、ペスト(1億人死亡)を。1918年には、スペイン風邪(5000万人死亡)を。地球は人間だけの物といわんばかりに、圧倒的に多い他生物の命(生息領域)を軽視し、自然破壊を繰り返し続けた結果、生態系が崩れ、方々で天変地異が。『そうすれば、そうなる。そうなったのに、まだ、そうするか』を自身に問い掛け『分相応に生きる』を、見直す時期に。

 下記は、読者の質問に応じた拙僧の返答集。コロナ発生初期から、移り変わっていく人の心情が鮮明に。自然災に限らず、人生においても考慮すべき質疑応答にて。今後の参考にしていただきますれば、と。

【3月初旬法話読者の質問に答えて】

世に『健全な肉体に、健全な精神が宿る』なる言葉が。なれば、不健全な体の人は皆、精神が駄目なの、と。それは違うよね。この言葉は古代ローマ時代の詩人が汚職軍人に対し「あんなに素晴らしい体を持ってるんだから、精神も健全であればいいのに」と嘆いたもの。今、このコロナ期、この言葉に当てはまる人、数多かな。

【追伸】

拙僧の耳には相変わらず、国対応に対する不満の声が多数。『打つ手があるなら、もうやっとる』を皆、百も承知の上で。文句の捌け口になるも政治家の仕事の一つ、かな。ビールス根源の生物から血清研究や、感染しない人、根治した人から、耐性研究を恐らく日々葛藤を。私達が出来る事は、1人1人が禁止事項を守る事だけ。

【追伸】

前項法話に読者が「A I でも、感染、発生予測も、解決策も、出せないんだ」と。対し「A I は過去のデータの入力でしょ。前例がないのか、予測を出しても人間が、現実を突き付けられるまで、欲が先行して聞く耳がないのか。何にしろ、責任の押し付け合いをしているでは。自分の命の事だからね、先ずは自分が自重を」と。

【追伸】

人と人との争いは、割り切れん物を無理矢理割り切って、わが心と折り合いを付けさえすれば何とかなるが、大自然相手(災害、ビールス等)は、そう簡単な話ではない。この度も人間の無力が浮き彫りに。不可抗力事例を除き『そうすれば、そうなる。そうなったのに、まだ、そうするか』を考え直す、よき時期が来たのかも。

【追伸】

嫁ぐ娘に父親が「荘子が『ミソサザイ、深林に巣くうも一枝に過ぎず』と。林の中に住む鳥も、羽を休めるは1本の枝、なる意味だ。が、お前にはもう1本、羽を休められる枝(実家)がある。それを心の支えとして、選んだ枝にしっかりと巣(わが家庭)を築きあげよ」と。母親は嫁ぐ娘に「持っていきなさい」と喪服を。

【追伸】

前項法話から読者が「私も母から嫁入りの時に喪服を。本意は何ですか」と。対し「喪服(礼服)は様々な場面で必要。親から娘への配慮、かな。昔は『嫁入り』を『他家へ帰嫁(きか)する』と表現。本来の家へ嫁ぐ意から『帰』の漢字を。喪服持参させたは『夫に最後まで連れ添いなさい』との意味もある、と聞いた事が。

【追伸】

幼少から母親不在の拙僧に「癌細胞は1日5000個出来てると。その都度、免疫細胞(リンパ球)が癌細胞を攻撃、死滅。毎日5000勝 0敗で、私達は癌にならずに。この免疫を元気に保つには、充分な睡眠、栄養。ストレスを溜めず、不摂生をせず、を。病気は、膳の下に屈むんだよ」と、育ての親の祖母が事あるごとに。

【追伸】

読者が「住職、コロナでは、色々な噂が。どう思う」と。「仏教説話で、毒矢を射られた大将が家来に『矢を抜く前に、何処から、誰が、射ったかを調べよ』と。対し家来が『死にますよ。治療が先です。防御は私達が。真実は後々、明るみになります』と。噂は噂でしかない。今、それを知って、どうなるものでもないよ」と。

【3月中旬法話読者の質問に答えて】

フランス報道で68歳引退医師が、現場復帰で感染死、と。その娘さんが「医療従事者は危険現場で必死に格闘を。なのに、禁止事項を守らず、好き勝手をする人達が、哀しい』と。自分が感染してなかったら『所詮他人事』は、大なり小なり人間の心の中には存在するだろうね。細菌感染は自然から起こり、結局、人災で拡散を。

【追伸】

ペスト、コレラ、天然痘、チフス、エボラ、エイズ、インフルエンザと、細菌感染である事が解明されたは19世紀に入ってから。それまでは、悪魔の仕業、鬼の仕業と、未確認の恐怖に怯えて。が、正体がわかり、抑え付ける薬が開発されてよりは、少しは落ち着いて対処が。この度のコロナウイルスもこの17年で、SARS、MARSに続いて、3度目の変異。正体がわかるまでは、禁止事項を守って自重するしかない。思えば、わずか17年で3度の変異。変異感染は今後も続くもの、と考える方が自然。この度の事を今後の教訓に出来れば、と。

【追伸】

檀家が「番組で細菌学者達の見解が不定。どうよ」と。「それだけ正体不明という事。MARSは現在も。が、SARSは8ヶ月で突如終息。同じコロナの変異、突如終息もあるかも。期待だが。もし菌が休戦協定に応じてくれたら『人類は、自然破壊禁止、他生物生息領域侵犯禁止、分相応に生きるを受諾せよ』と要求されそう」と。

【追伸】

読者が「お寺でも、収入は大問題でしょ。参拝者の受入れ法要は、いつから開始する予定ですか」と。「檀家さんには葉書で『暖かくなり、開窓、風通し、換気可能な4月中旬以降から、徐々に通常に戻していく予定にしております。但し、社会情勢を鑑み、その都度、判断を』と連絡しています」と、一応は。まあ、無理かな。

【追伸、上記男性の言葉から別男性が】

別男性が「以前、住職が法話で『上杉家の家老、直江兼続公は、関ヶ原敗戦後、120万石から30万石になるも、家臣を1人もリストラせず、自分も含め、全員の給料を3分の1に。武士にも百姓をさせ、60万石に。この政策を範としたが、江戸中期の上杉家中興の祖、上杉鷹山公。この方が言った、為せば成る、為さねば成らぬ何事も。成らぬは人の為さぬなりけり、は有名』と。今、政治家に求めたいは、これですね」と。

【令和2年5月下旬法話読者の質問に答えて】

檀家が「住職、私達夫婦は学歴も、お金も、持ち家もない。が、1度も喧嘩した事がない。両家の両親も、子供達も、健康で仲がいい。皆々、無理を押し付けないから不平不満もなく、何でも自分で率先して動くから、手も掛からない。だから、家庭内ではコロナの影響は全くない」と笑いながら。「やっぱ、常日頃が大事だ」と。

【追伸】

法要後の茶話会で時々この様な話を。「何を幸せと感じるかは、人それぞれ。『幸せはお金じゃないよ』という人がいるが、お金持ちの言い分。『子供がいたって、苦労させられるだけだよ』は、子供を授かってる人の言い分。自分の価値観と他者の価値観は、当然違うもの。人と自分を比べる事によって、優越感も劣等感も産まれてくる。自分の幸せの基準だけを大事にすれば、他者を羨ましく思わなければ、人生、結構楽しいかもよ」と。

【追伸】

読者若者が「13時間で親類在住の英国に行ける時代。大国から大国まで30分でミサイル到着の時代。広島型原爆の何千倍被曝放射能が、大気を流れ全世界に拡散するを知る時代。喧嘩をすれば時空間余地はないも知る時代。もう何でもが地球規模で考えなきゃならん時代。なのに、日本では隣人問題が後を絶たないよね」と。

【追伸】

読者が「以前、住職が法話で『注意されて、指摘されて、腹を立てる人は『私には身に覚えがある』と世間に向けて、自らが暴露してるに同じ、と。本当だよね」と。「だけどね、腹を立てるという事は、少しは自分の非を認めているという事。厄介なのは、腹を立てない人の方かな。自覚がないは、改善の見込みがない」と。

天徳山 金剛寺

ようこそ、中山身語正宗 天徳山 金剛寺のホームページへ。 当寺では、毎月のお参りのほかに、年に数回の大法要も行っております。 住職による法話も毎月のお参りの際に開催しております。 住職(山本英照)の著書「重いけど生きられる~小さなお寺の法話集~」発売中。