令和3年6月分 金剛寺住職コロナ関連法話集
陣中お見舞い申し上げます。 6月分
読者看護師が「院長の子供が他界を。一応通夜、葬儀の座は設けたが、お寺も呼ばず、棺だけ置いて、線香立ても置かず、蝋燭に火も灯さず。医師会の繋がりから多数の会葬者が。皆さん、受付に立つ私達看護師に目で『どうなってんの』と合図を。『さあ』と目で返すしか。喪主側から会葬者への挨拶もなし。凄いでしょ」と。
【追伸】
拙僧が「この院長の家族は」と問うと、読者看護師さんが「他界された方の弟さん(院長の息子)は医師で、通夜には奥さんと子供と顔を出しましたが、私達看護師に『有難う』の言葉もなく、すぐにホテルへ戻って行きました」「他人の貴女達(看護師さん)に世話をしてもらってるのにかい」「はい。何ともないみたいですよ。そんな家庭だから、その環境で育っている弟さんの子供も『人間失格予備軍』の気配が、言葉遣いと行動から、ありありと見受けられます。住職が度々法話で『親が作った家庭環境で、その親が育てる。親に似た子供が育つは当然の成り行き』と。この言葉を絵に描いた様な家族です。院長からの流れが孫までも、ですね」と。
【追伸】
看護師協会の講演を依頼されたは、過去に5回程。その中で看護師さんから聞いた最も酷い事例(数例あり)は、病院で他界の親の遺体を「要らん」と引き取り拒否する子供が。恐らく、親子関係で何かがあったんだろう。だが、遺体は自力で歩いて、火葬場にも、お墓にも行けない。第三者(病院、福祉)に遺族の家庭事情は何も関係ない。その方々に迷惑を掛ける事を遺族は、真剣に考えた方がいい。祖父母の遺体をごみ処理するかの様に扱う親の姿を見て育つ子供、どこで命の尊さを勉強するのか。順送りに、とんでもない人間を育成する事に。
【追伸】
大病院勤務知人医師が「勿論、例外はあるよ。が、一般から医者になった、者より、医者の子息が医者になった、者の方が、頭が高い傾向が強い。上から物を言う親の姿ばかりを見て育ち、上から物を言われる親の姿を見ずに育ったが為に、それが当たり前と、知らず知らずに身に付いて、親と同様の人間に。コロナ患者の受け入れを承諾する医者、拒否する医者も、それに比例している。医者の人間性もこの度のコロナは、問われとる」と。
【追伸】
大病院に事務で勤務の知人が「朝方、医師に『書類に署名捺印を下さい』と持参すると『そこに置いとけ』と。返してくれるは夕方。そこから私達は残業に。こんな嫌がらせ行為(故意に)は、日常茶飯事にある。それをされる度に『この野郎、月夜ばかりと思うなよ』と怒りが爆発を。こんな卑劣な事をするは決まって、親が医者の息子達。何を勘違いしてるのか、どんな家庭環境で育ったのか、そんな自分が情けなくないのか」と。「医者の家族に限らず、坊主の家族にもそれはあるよ。『先生』と付く程『バカ』はおらん、と、檀家の元教諭が」と。
【追伸】
某県で開業の知人医師が「住職、情けないわ。わしの近辺でコロナ患者を受け入れてるは、わしの医院だけ。赤字になるから、とか、通常の何倍も手が掛かるから、とか、院内感染のリスクを抱えるから、とか。『あんたが受け入れてるからって、他の医院を巻き添えにするな』と文句言われる。リスクは皆、同じなのに」と溜息を。昔から、名医を探すなら、医者仲間に尋ねよ、と。名僧を探すなら、坊主仲間に尋ねよ、と。名匠を探すなら、大工仲間に尋ねるが早い、と。男性が認める男性、女性が認める女性、は、まずもって、間違いはない。
【追伸】
この知人老医が「1000人当たりの病床数は、日本13床、韓国12床、ドイツ8床、米国3床、英国2床。日本全国病院7403施設の内、コロナ受入可能が1872施設。一般病床、感染症病床は約89万床あるが、コロナ患者に使えるが約27600床、全体の3%と。世界の国々に比べ、患者数も少ない上に、圧倒的に恵まれた施設数と病床数。なのに、国内の医療が崩壊寸前と。頑張ってるは、一部の者達。東邦大学など、コロナ患者を受け入れて、数十億円の大赤字になっとる。ここにきても医学界は、一枚岩になりきらん。行政がしっかり方針を立てて指示を出さんと、頑張ってる病院、医院、医師が倒れたら、それこそ、医療崩壊に」と。
【追伸】
この統計は日本人に限っての数字だが、現状を把握し行動する『自主的行動型人間』が2割、指示されれば動く『指示待ち型人間』が6割、俺が動かんでも、の『誰かがするだろう型人間』が2割、と。この度の各病院のコロナ対応の数字を見ても、この統計率が確かであろう事がよくわかる。なれば後は、行政指導の問題にて。
【追伸】
学校保護者会講演で「イソップ童話の『うさぎとかめ』は、能力を過信し、油断したが為に、地道に歩んだ亀に負けてしまうというお話。ところで、わが子が亀の立場であったとしたら、この話の結末通りで良し、と考えますか。それとも、兎を起こしてやるくらいの懐の深さを持て、とわが子に指導しますか」と。この問いに対し、20代の若い母親が「この世に『これ、正解』は、ないですもんね。自分にとって今、何が正解に近いのか、だけ。ただし、人に多大な迷惑が掛かる様な選択だけは、控えた方がよい、と思います」という回答を。
【追伸】
人間の本性は『腹を立てた時の行動、追い込まれた時の行動、人が見てない時の行動』で、大方、その人の人間性がわかる。他にもその人の『趣味、服装、付き合っている人達、言葉遣い』等も、人間性の判断材料に。これを踏まえ『心にない物は、表には出てこん』と示したが、家康公の重臣の1人。さて、さて、貴方は如何に。
【追伸、上記と類似の話】
中学校での講演会で生徒さん達に「将来、なりたい夢を叶える為に、その分野で一流になった人達に、質問が出来るとしたらば『どうすれば成功するか』を聞きたいかい。それとも『どうすれば失敗するか』を聞きたいかい」と尋ねると、1人の男子が「当然、失敗の方です」と。「何故、失敗の方を聞きたいの」と聞き返すと「成功例より、失敗例の方が、より多くのヒントがありそうだから」と。更に「失敗例の方を重視とは、目の付け所が凄いね」と返すと「住職さんが講演に来ると聞いて、ツイッターの法話を読んでた。その中に『そんな成功例を出されても』と文句言った人の話が。成功例は、その人の器量と努力が根底にある。それを真似するは難しい。が、失敗例は、それを避けさえすれば、自分なりの成功の糧になりそうで。それと今1つ、住職が度々ツイッター法話で『成らんもんは、成らん。仕事の出来る人間は、出来る工夫を探す。仕事の出来ない人間は、出来ない言い訳を探す』と。因みに、コロナで最も手厚い経済支援国といえば、国内総生産の20%強、108兆円の日本が2位。1位はマルタ。米国は14%、英国は5%と。そうしてみたら、国民は、国に文句を言うなど言語道断。してもらって当たり前、やってもらって当たり前、が身に付いたら、感謝の心が欠けるよね」と。
【追伸、中学生の面白い見解】
檀家さんの家に仏壇参りに伺って、日本の危機管理能力欠如の話をしていたら、その家の13歳の息子(中学生)が「住職、これ」と、描いてきた絵を差し出した。見ると、核爆弾搭載のロケット弾が日本国土に飛んできて、今にも着弾しようとしているのに、国民が皆、それをスマホで「インスタ映え」と言いながら、撮影している能天気な姿。「おい」とその息子に言うと「今の日本人って、これでしょ。平和ボケにも、程があるよね」と。
【家内と、シェークスピア戯曲、マクベスを】
シェークスピアの戯曲『マクベス』を、家内と一緒に北九州劇場へ。人間は手が届くチャンスがあれば、主君を殺してでも権力を奪いにいく。その裏には、手綱を引く女性の存在が。手に入れたら今度は、それを失う恐怖との戦いで精神がボロボロに。人間不信から忠義の家臣にも牙を。結果、孤立、下克上を産む事に。人間模様は、古今東西変わりなし。因みに、今から1100年以上前、一休宗純さんが「欲を捨てよ、というそばから、拾うてまわる、寺の坊主」と。「室町時代から、坊主というはそうであったか。なら、少しは気が楽になったわい」と現在の坊主が。いやいや、そういう事では、ないでしょ。シェークスピア戯曲『マクベス』の如き下剋上は日本でも。将軍実朝公を暗殺し、鎌倉源氏を三代で止めた、二代将軍頼家公次男の公暁(くぎょう)や、関ヶ原で光成公を裏切り、豊臣を滅亡に追い込んだ小早川秀秋公(秀吉公正室の甥)など。時に天は、それに相応しくない人物に歴史の流れを委ねる事があるようで。周囲は、それを見極める力を、養うことが大事かな。
令和 3 年 6 月分 金剛寺住職(コロナウイルス関連)短文法話 【その15】
人間の欲に歯止めが効かなくなった時、天はそれなりの人物(その他)を下生させ、荒療治を成し、リセットを。戦国時代には、信長公を。第二次大戦では、ヒトラーを。14世紀には、ペスト(1億人死亡)を。1918年には、スペイン風邪(5000万人死亡)を。地球は人間だけの物といわんばかりに、圧倒的に多い他生物の命(生息領域)を軽視し、自然破壊を繰り返し続けた結果、生態系が崩れ、方々で天変地異が。『そうすれば、そうなる。そうなったのに、まだ、そうするか』を自身に問い掛け『分相応に生きる』を、見直す時期に。
下記は、読者の質問に応じた拙僧の返答集。コロナ発生初期から、移り変わっていく人の心情が鮮明に。自然災に限らず、人生においても考慮すべき質疑応答にて。今後の参考にしていただきますれば、と。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
社長が対象の講演で「拙僧は会社求人欄の『経験者優遇、年齢制限』は、どうもですね。意欲ある未経験者、熟年者なれば、意欲なき経験者など、あっという間に。育てるという一手間を面倒臭がって、将来会社の宝となるやもしれん人材を確かめもせず、書類審査だけで切り捨てる様な事だけは。誰しもが皆、最初はど素人」と。
【追伸】
会社倒産で就活の50代男性に「わが寺の僧侶に定年された元看護師の女性がいて、50歳過ぎて勤務先を移ろうと他の病院へ。そこの病院長が面接の時に『君は仕事が好きかい』とだけ質問を。『はい、好きです』と答えたら、即採用してくれたと。勿論、経歴も判断材料になったとは思うが。後に、この女性が病院長に『何故、あの様な質問を』と尋ねると『仕事が好きな人は、仕事に優劣など付けず、全てに一生懸命』と。確かにそれは言えるかな」と。だから今、こんな状況でも病院は崩壊してないんだろうね。日本の医療従事者は、優秀にて。
【追伸】
本田圭佑選手に「何故、ミランの背番号、10に拘ったのか」と問うと「勿論」の後、数秒沈黙を。「歴代10番を背負った選手は皆、ビックネームだらけ。批判されたくなかったら、リスクを背負いたくなかったら、行動を起こさなければいい」と。今、批判覚悟、リスク覚悟を、背負ってくれている人達を責めるは、あかん。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
知人の賃ビルオーナーが「私達は、家賃収入を見込んで、固定資産税の支払いや、ビル購入の借金返済を。が、テナントさんが廃業し、次の借り手がなかったら、私達オーナーは即、無収入に。巷では、国に家賃分を補填してもらえ、という声が。が、長引けば、国も財政は有限では。痛み分けで、貸しビルオーナー側も、全額とは言わんが、店子の家賃を半額に。なれば、両方ともが助かる」と。更に貸しビルオーナーが「感染は続いて2、3年かと。国は痛手だろうがこの間、全額とまでは言わんが、固定資産税免除(控除)なら、我々も店子からの家賃徴収を考慮する事が。民衆に対しても、お金をばら撒くではなく、水道、ガス、電気を全て無料にし、各々の親会社と国との間で話合いを持てば、ばら撒く為に必要な諸経費も、使わずに済むと思うのだが」と。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
檀家子供が「住職、飲食店の店頭で、順番待ちの椅子の上に子供が土足で。親が注意しないので仕方なく店側が注意を。その椅子から子供が落ちて怪我を。すると父親が『椅子を置いとくからだ』と。他、諸々の理由で飲食店が、小学生以下の来店禁止を。後日、嫌がらせの電話や、店先に家庭ゴミを放置と。何だ、この国は」と。
【追伸】
読者が「昨今、SNSの世界でも、コロナ差別でも、この手の話が多いですよね」と。「考え方の根本に『人がそう動くからには、そう動くだけの理由が、必ずある』と置けば、軽々な言動を慎む事が出来るのですが。文句、差別は、その理由、その本質を知らない人達が、感情に任せて言うもの。無知というは悲しいですね」と。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
拙僧の法話読者で12歳の男の子が手紙で「僕の両親は、モンスターペアレンツです。恥ずかしい程、度々学校に文句を言いに行っていました。が、コロナで休校の今は『早く学校が始まってもらいたい』と勝手な事を。僕も早くそれを希望してます。そろそろ苛立ちの矛先が僕の方に。流石に両親もこの度は、学校の有難さが身に染みたでしょうから、コロナ収束後は、もう、学校や方々に文句を言いには、と期待してるのですが」と。
【追伸】
檀家爺様が「住職よ、国会では野党が『制限解除はいつか、いつか』と総理にキャンキャン。解除して、再度感染が拡大したら、今度は『何で解除したんだ』と文句をキャンキャン、なんだろうな。更に『コロナの収束は、いつ頃と考えているのか』と総理に。そんな事、コロナに聞けや。世界のどの国も、どの首脳も、ウイルス専門家も、わかっとらんわい。ワクチンが出来ない限り、油断すれば再度拡大するは子供でもわかるわ。野党は意味のなさん文句を言うは、もう止めにしてくれんかな。頑張ってる姿のパフォーマンスなど、大概うんざりや。今後も人類は、ビールスとの戦いは永遠に続く。コロナに限らず。どこぞの元首が『たった100年前のスペイン風邪を人類は教訓にする事が出来なかった』と言っていたが、この度は、教訓に出来るんだろうか」と。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
東京在住男性が「15年程前の正月、親族で明治神宮へ。賽銭箱に千円を入れると、当時12歳息子が『千円か』と。対し息子に『こちとら江戸っ子でえ』と言うと『20人で来たから1人100円。奮発したから沢山願掛けにゃ』と息子が私の心の声を代弁。今、息子は一流大卒業して弁護士に。栴檀双葉より芳し、だね。先日、その講釈息子と明治神宮にコロナ収束の願掛けに。『1人の願いが集まり、大きな願いに』と、そのとんび鷹が」と。因みに、神社での礼拝作法は、日本でトップの伊勢神宮では、2礼8拍手1礼。次の位の出雲大社、宇佐神宮では、お伊勢さんに少し遠慮して、2礼4拍手1礼。その他の神社は、2礼2拍手1礼、との事。ご参考に。
【追伸】
この東京在住男性が「住職が度々法話で『トンビが鷹を産んだ、とあるが、トンビが鷹を産む事などない。鷹の様なトンビを育てる事は出来るが』と。が、住職。我が家に限っては、トンビが鷹を産んだんだよ。トンビを鷹の様に育てる事が、出来る親じゃないもんな、俺達夫婦は」と笑って。対し拙僧「そうですか」と答えたが、拙僧、心の中で『いやいや、お父さん、あなた達ご夫婦は、子供をしっかり、育ててますばい』と。
【追伸】
大分県の宇佐神宮に参詣すると本殿正面の立て札に「この神社の礼拝作法は、二礼四拍手一礼、この由来は不明。古来より、そうしてきたから、今もそれを」と。何と、天下の宇佐神宮が『知らん』と、言い切りおった。普通なら、世間への体裁を気にして何やかやと、ある事、ない事、取り繕うだろうに。信仰に限らず、人間というものは、かくありたいもの。『知らん物は、知らん』と言える正直、勇気が、世間からの信頼を得る事に。
【最後に、余談話を】
さて、6月2日は信長公の祥月命日。信長公が好んで舞った敦盛の『人間、五十年。下天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり』の本来の意味は『この世の50年は、あの世の1日』と。それが真なら、信長公が他界して、まだ9日という事に。わが父は臨終前に「わしは寂しくないぞ。夕方までには、みんなに来る」と。それが本当かどうかなど、どうでもいいこと。何かすぐそこに、次に住む世界がある様で、心がほっとしませんか。逝けばまた、今生の様に皆々に会えるんだ、と。因みに、信長公が他界当時の本能寺は、現在の位置より600メートルほど西側に。大通りから寺内全域が眼下に見通せる無防備なお寺。信長公の一生は意外だが、人を信じて、裏切られ、その裏切られた人を信じて、また、裏切られを繰り返した人生。森蘭丸が「打ち手は、惟任日向上光秀、何故に」との疑問に対し、信長公「是非に及ばず」と。この是非に及ばずの言葉も、人は寿命、と覚悟の言葉だったのではないか、と。後悔なき人生を歩んだ人達は皆、最期は「是非に及ばず」の心、なのかも、ですね。
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