令和3年7月分 金剛寺住職法話集
陣中(コロナ自粛奮闘)お見舞い申し上げます 7月分手紙
読者の女子高生から何と、この拙僧に『恋愛』の相談が、ありもうした。この女子高生が「住職さん。何人もの人に、恋をするって、いけない事なんですかね」と。「まあ、そうだね。例えば、さだまさしさんの歌の歌詞の中に『幾つもの初恋を重ねて』というフレーズが。『その人の事を好きになったのは初めて』なら、それは全て、初恋と言えるかな。その初恋を何度も繰り返して、人は、生涯の伴侶に出会うんではないか、と思うよ。いっぱい、いっぱい、人を好きになりなさい。拙僧は、いいと思うがな」「なんか、スッキリしました」と。
【さだまさしさんの、決意。座して死を待つわけには、いかん】
4474回も行われてきたコンサートを、コロナで7ヶ月間中止にしてきた、さだまさしさん。「どうにかせにゃならん」と医療従事者が集まるオンライン会議に積極的に参加し、コンサート再開に欠かせない感染対策の知識を深めていった。『生きていく為に、仲間(スタッフ)が、仕事が出来る状況を作らにゃならん』と。少人数コンサートからの再開だが、スタッフに「身を律して、動き出しましょう」と。コンサート後、さださんが「再開は辞表を胸に抱いて、の心境だった。もし、感染者が出たら、最悪、死に至る病気にて、その責任をどうやってとったらいいんだ、という恐怖心が先立って、初めは動けなかった。が、この音楽という明かりを消してはならない、の一念でスタッフと「よし、やるか」と安全に安全を重ねて、41講演、感染者0で乗り切りましたと。
【追伸】
読者が「私の会社にも、仕事だけでなく、全てに否定的な人間がおる。どこ押しゃ、それだけ、次々文句が出てくるのか。文句を言わんと気が済まんのだね。かといって、自らは動かず、建設的意見も持たずで。さだまさしさんも、勇気がいったでしょうね。人間はじっとしていて、ご飯は食べられませんもんね。田中角栄さんが『寝言を言ったり、不満ばかり言ってる奴は、人生終わるまで不満を抱き続ける人間になるぞ』と。住職が度々法話で『仕事が出来る人間は、仕事が出来る工夫を探す。仕事が出来ない人間は、仕事をしたくない人間は、出来ない言い訳を探す。同じ時間を費やして探すなら、仕事が出来る工夫を探しなっせ』と。真理だね」と。
【追伸】
田中角栄さんが『出来る事はやる。出来ない事はやらない。が、全ての責任はわしが負う』と。『失敗は嫌という程、した方がいい。そうすると、余程の馬鹿でない限り、骨身に染みる。判断力、分別が出来てくる。これが成長となる』と。動いても、動かんでも、文句を言う者は出てくる。どうせ文句を言われるなら動いた方が。角栄さんのこの言葉には前文が。「私は田中角栄、小学校高等科を卒業。諸君は日本中の秀才の代表。財政金融の専門家達。私は素人だが、トゲの多い門松を数多にくぐってきた。いささか仕事のコツは知っている。一緒に仕事するにはお互いを知る事が大事。我れ、と思わん者は大臣室に来てほしい。上司の許可を得るは、無用」と。対し読者が「田中角栄さんの『上司の許可を得るは必要ない』と。先般、住職が法話で『ワクチンの接種者、研修して人材を作るより、日本には獣医師が3万人、歯科医師が10万人以上もおる。医師界に何の縄張りがあるかどうかは知らんが、今は緊急時、その方々を』と。国もやっと、歯科医師に白羽の矢を。当然ですよね」と。
【追伸】
職を転々とする若者が「自分に合う仕事がない。自分が希望する仕事がない」と、愚痴を拙僧に。対し「日本は99、7%が、中小企業。一流大卒でも、大手に入社出来る確率は非常に低い。医師、弁護士になれた人でも『こんなはずではなかった』と、職に失望する人は数多。その仕事に自分が合わせる事、その仕事の中から自分で希望を見つけ出す事、が大事。その縁を活かすも、活かさんも、自分次第。拙僧が言えるは、ここまで」と。
【追伸】
高校講演で「早大政経学部卒の男性が、父親のラーメン屋を。父親も親族も「ここまで一流街道を歩んできて何故、こんな仕事を選択するのか」と。が、周囲の猛反対も聞き入れず。ところが現在、店舗を増やし、一流企業の給料の何倍もの収入を。仕事に優劣などはない。力のある人間はどの畑であっても、力を発揮する」と。
【サプライズ、に対する質問に答えて】
これは数年前の話ですが、法話読者が「サプライズでプロポーズをしようと3年掛けてお金を必死に貯め、ディズニーランドが眼下に見える、何十万円もする某ホテルのスイートルームを予約。当日、そのホテルに彼女を。部屋に入り、夜景をバックにプロポーズをすると、彼女が「有難う。正直に言えば、嬉しいよ。だけど、こういう様な事は、2度としないでね。結婚後の財布は、私が預かります。いいですね」と、結婚の受諾を。
【追伸】
読者が「住職はサプライズの行為、どう思う」と。「否定はしないよ。が、個人的には鬱陶しいかな」「住職は、奥様へのプロポーズは、どういう形だったの」「家内が20歳、拙僧25歳の時、家内の承諾も得ず、いきなり『結婚式日と会場の予約してきた』と本人に。そうか、これもサプライズと言えば、サプライズか」と。
【追伸、やってやれない事はない、の話から】
就活中の若者に「芸人でおぎやはぎの矢作さんは、英語が得意と偽り、外資系に合格。寺尾聰さんは、乗馬が出来ると偽り、黒澤明さんの映画に。『ほう、嘘も通じるばい』と。いやいや、外資系の社長も黒澤明監督も、海千山千の人。その目は節穴では。恐らく『この男なら仕上げてくる』と本質を見抜いての事かと。参考に」と。
【追伸】
黒澤監督といえば思い出すは、番組の企画で「霊(黒澤さん)を呼んだ」という有名拝み屋さんに、北野武さんが「監督、他界前、喫茶店においらを呼んで、何を言おうとしてたんですか」と尋ねると「んんんっ、わからん」と。その答えに共演者一同ずっこけた。が、拙僧、それを見ていて、なんと正直な拝み屋さんだこと、と。
【追伸】
読者が「そこまで委員会で、久々に宮沢孝幸先生が登場。『ウイルス専門家は様々ワクチンのアイデアを持ってる。が、法律の壁が邪魔を。日本には優秀な専門家が数多。が、予算が』と。食堂も時短に何の意味が。どう思う、住職」と。「食堂は、密を避ければいいんでしょ。なれば時短より、全店完全予約制にした方が」と。
【追伸】
読者が「昨日の住職の法話見ました。食堂を含む、接客業ばかりを決め打ちして時短を。要は、密の防止でしょ。飲食業全店を予約制にすればいいだけ。されば、時間制限なく営業可能になる。予約の受付も今は殆どがスマホで。コロナ収束後に街から灯が消えてもいいのかな。勿論、お客のモラル(協力)も必要不可欠だが。何とかしようと思えば出来るのに、何とかしようとしないっていうのは、どうなんだろ、ねえ、住職」と。「拙僧、スシローは、いつも息子達がスマホで予約して現地へ。待たずに入れるからね。飲食店を完全予約制にしたら、密の防止というメリット以外に、世界1の残飯大国の汚名も返上出来そうだけどね。店は予約された量(食材)だけを購入すればいいだけ。近い将来訪れるであろう食糧危機問題にも、様々な教訓を与えそうなんだけどね」と。
【病死も、自死も、災害死も、寿命】
法話の読者には「自殺したい」と相談してくる若者達が、少なからず。但し、相談してくる人達は「まだ、生きていたい」という意思があるので、踏み止まる人が大半。その自殺志願者達には「拙僧、60歳前。あっという間にこの歳に。大病、親の離婚、挫折と、そりゃ、色々、様々あったわ。その事を忘れる事はないが、当時より薄れたは、確かかな。今、当時の様な苦痛はない。逃げ場所は、この世にもある。『堪えろ、逃げるな』と強く言う人がいるが『ほっとけ。わしゃ、逃げる』と逃げろ。探せば必ず、憩いの場を見つかる」と。
一昨年、東京から自殺願望の中学生の男の子(13歳)と、ご両親が拙僧のお寺に。父親は厳しい方で「虐めに屈したらいかん。逃げ癖がついたら、何に対してでも逃げる様になる」と。対し拙僧「この子が自殺した後で、命を落とした後で、その言葉をもう1度言えますか。人間は、1度死んだら、泣いても喚いても、生き返ってこれませんよ。転校は逃げるんじゃない。命を守る為の手段。虐めてくる人間を阻止するは無理。そんな人間と付き合う必要はない」と。対し父親が「次でまた、虐められたら」と。「また転校すればいい。憩いの場所が見つかるまで、何度でも」と。後日「転校先の学校が憩いの地になった」と息子と父親から、安堵の連絡が。
令和 3 年 7 月分 金剛寺住職(コロナウイルス関連)短文法話 【その16】
人間の欲に歯止めが効かなくなった時、天はそれなりの人物(その他)を下生させ、荒療治を成し、リセットを。戦国時代には、信長公を。第二次大戦では、ヒトラーを。14世紀には、ペスト(1億人死亡)を。1918年には、スペイン風邪(5000万人死亡)を。地球は人間だけの物といわんばかりに、圧倒的に多い他生物の命(生息領域)を軽視し、自然破壊を繰り返し続けた結果、生態系が崩れ、方々で天変地異が。『そうすれば、そうなる。そうなったのに、まだ、そうするか』を自身に問い掛け『分相応に生きる』を、見直す時期に。
下記は、読者の質問に応じた拙僧の返答集。コロナ発生初期から、移り変わっていく人の心情が鮮明に。自然災に限らず、人生においても考慮すべき質疑応答にて。今後の参考にしていただきますれば、と。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
久し振りに『やすきよ漫才』を見ていて、やっさん(行年51歳)の晩年を思い出した。脳挫傷の後遺症で、言葉が不自由な状態で、地元町内祭りのゲストに。その時、観衆から「もうええ。やっさん、もうええんや。もう十分や」と男性達が涙声で。難波の人達に本当に好かれていたんだろうね。いいよね、情の深い街って。
【追伸】
生涯を終えて、見送られるお別れ会が、通夜、葬儀、といわれるもの。会葬者の数を見れば、故人がどの様な生き方をされてきたか、一発でわかる。18年前、先代(父)の葬儀には、700人以上の会葬者が参列を。それだけの人数が集っても、葬儀中に物音一つなし。拙僧、これまでに900回以上の葬式を請け負ってきて思う事は、心から見送ろう、という気持ちで集まった方々の会葬姿勢は、やはりどこかが違う。そうでない葬式(形だけの繕い)は、数人の会葬者でも、座がざわざわと騒ついている。これまでに数多の葬式と、それ以上の人の生き死に関わり、数千人の人達との交流があったが、やはり、恩を仇で返す人よりも、恩を恩で返す人の方が、間違いなく多かった様な気がする。通夜、葬式、年忌は、故人に対しての、御礼報謝の法要にて。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
読者が「神仏に祈願する人って、どんな人」と。「タイプは2つ。努力せず幸せを望む者。このタイプは夢叶わずば、自分の努力は棚に上げ、神仏を罵倒。今1つのタイプは、祈願と努力の両方真剣に取り組む者。このタイプは、仮に夢破れても、納得して結果を受け入れる。よって、人生を後悔なく終わらせる方が多いかな」と。
【追伸】
老人ホームの理事長をされている老婆との縁を四国巡拝中に頂いた。理事長さん曰く「人を頼ってばかりいる人を、人は決して助けてはくれませんよね。神仏も同じだと、私は思います。真剣に願わず、努力もせず、の人を、神仏が助けてくれるとは、到底思えません」と。わが金剛寺では、来る6月21日(日)夏至の日に『病魔退散無病祈願法要』を僧侶のみで厳修させて頂くこととなりました(昨年の話)。この声は恥ずかしながら、檀家様の方より上がってまいりました。お寺側はこのご時世(コロナ期)『なるべく檀家さん達の負担減(お布施)を』と考えておりましたが、特に檀家の爺様、婆様から「住職、要らん気を使うな。お寺が今、終息(収束)祈願しないでどうするか。祈願する事が、わしらの免疫向上になるんだよ』と喧しくお叱りを。住職である拙僧以上に信仰篤き方々ばかりにて。またまた、檀家さん達に教えられる事となりました。有難い話でございます。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
両親の浪費や借金が原因で苦しんでいる高校生に「諺に『千里の道も1歩から。ローマは1日にして成らず』と。この言葉は、成功に至るには、の心構えを説いたものだが、悪い意味の場合もある。将来の不幸は、幸せな時期からジワジワと忍び寄って来ている。健康な時期に暴飲暴食、金銭の余裕がある時期に浪費、と。その理を悟っている者は、大きく踏み外す事はないが。君は今、よか苦労してるな。将来のよか教訓になるばい」と。
【令和2年5月初旬法話読者の質問に答えて】
檀家が「報道番組で識者が『統計で日本人は【1】自主的に動く人間は2割【2】指導すれば動く人間は6割【3】言う事を聞かん人間は2割』と。以前住職が法話で【3】は誰かがするだろう、俺が動かんでも人間。【2】は指示待ち人間、と。国が『8割自粛を』と連呼したは、この統計から。強制無しで8割か、日本人は凄い」と。
【追伸】
檀家に「言う事を聞かない2割は、仕方ない。身近を見ても、この統計率は納得出来る。亡き父(先代)が『見てわからん者、は言うてもわからん。人は教えられても身に付かん。人は気付かにゃ身に付かん』と常々口に。日本が爆発感染しないは、間違いなく国民の力。この国民の力の中には勿論、医療従事者や国を舵取る政治家の方々も。ただ、2002年にSARS、2012年にMARS、2019年にコビット19、と。たった17年間で3度も、コロナが変異発生。この度『恐らく次も近い内に』と、準備をしておったなら、と。そこだけが残念かな。17年間で3度の変異発生。次もウイルスは必ず来る。コロナに限らず。次は、徹底的に準備を。
【おまけのお話】
50年以上、わが寺の檀家ではないご夫婦が毎月、先祖供養の法要に参列。その度に「住職、わしら、子供もおらんし、このお寺の納骨堂に入りたいが、駄目かいな。菩提寺の納骨堂は、全く掃除も為されておらず、線香も蝋燭もない。3月にお供えした牡丹餅が、次に参拝した時には、カビだらけでほったらかされとる。わしゃ、嫌じゃ」と。「200年以上も爺様の先祖が、その菩提寺のお世話に。総代会を開いて菩提寺のご住職に思いの筋を直談判してみたら」と。因みに、わが寺には、江戸後期から戒名が残ってる檀家が数家ある。これは何を意味しているかと言えば、子々孫々、誰ひとりとして、親を粗末に扱った子供がいなかった、という証拠。それがその家の家風に現れている。そんな檀家のご先祖が納骨堂で永眠を。お寺側は、その事を忘れちゃならんよね。
【追伸】
このご夫婦が「わしらは金剛寺が好きなんじゃ。どうしても駄目かい。あの納骨堂に入らにゃならんかと思ったら、気が滅入ってしまう」と。「今のその菩提寺のご住職がどうであれ、先祖が長年お世話になってきたんでしょ。恩を仇で返す様な真似は、したらあかんがな。じゃ、こうしよう。爺ちゃんと婆ちゃんが他界したら、拙僧は必ず、葬儀参列に。その時に必ず、戒名を認めて帰るから、永代供養を金剛寺でしていくよ。それならいいでしょ。供養料はいらん。サービスじゃ」「ほんとかい。ほんとだな」「任せときない」「これで安心した」と。
【追伸】
先日も、葬儀で会葬者に「散骨と言えば、聞こえはいいが、あれは海に遺骨を捨ててるに同じ。40歳が60歳になれば、知識、知恵、経験が増して、考え方が、ガラッと変わる。拙僧への相談には、散骨した事の後悔をする方々が、少なからず」と法話で。葬式後、出棺の時、1人の初老女性が「私も、後悔してる1人です」と。
【追伸】
壁に向かって9年も座禅、悟りを開かれた達磨大師の弟子が、禅宗の僧侶たち。中には、何十年も一言一句違わぬ法話をする禅僧が。何故、そんな事を。10年前に聞いた法話を「この話、前にも聞いたわい」という人は、この10年、何も成長してないという事。自分の心が成長したかを確かめよ、と同じ法話を頑なに。
【追伸】
10日に1度、子宝無き老夫婦の家へ。「会いたい」の電話を受け、家内と一緒に訪問を。2人共、体が不自由になって気弱に。爺様が「末期癌なのに、全く痛みが。何でや」と。「治ろうとする免疫が、癌の奴と喧嘩せんから、体の中が穏やかなんだろうね」と。「体が老いて、枯れとるからか」と。「そういう事、かな」と。
【追伸】
コロナワクチンの接種を拒否したり、臆病風を吹かすは、拙僧周囲では、婆様より爺様の方。「熱が出たら、どうすんじゃ」と。「体に異物(コロナ菌)が入るから、それと免疫が大喧嘩を。喧嘩をふっ掛けるから、熱も出るくさ。が、爺様の免疫、喧嘩ふっ掛ける元気ないやろ。心配すな」と。後日「熱、出んかったわ」と笑って。
0コメント