令和3年4月分 金剛地住職コロナ関連法話集
陣中(コロナ自粛奮闘)お見舞い申し上げます 4月分手紙
読者高校生が「小倉智昭さんとの対談で辛坊治郎さんが『番組が勝手に、私と橋下徹さん、府知事に相応しいは、と大阪府民にアンケート調査を。圧倒的勝利は、私の方。が、実際に府知事になったは。その橋下さんの1年目(仕事ぶり)を見て、俺には無理、俺には出来ない、と。今後の人生は、そういう志の高い人間を応援、後押し、したいから、政治家になる』と、きっぱり。また、面白くなってくるね、政治。辛坊治郎さんが『アナウンサー業務の40年は、自分の信念に合わない事は、口には出していない。例え、原稿に書いてあっても。自他共に、嘘だけはついていない。これだけは自信を持って言える』と。対し、小倉智昭さんが『それは、なかなか出来ない事。組織内では、迎合した方が楽だもんね』と。ところで住職は、宗内(組織内)では、どんな生き方を」と。「辛坊さんに似てるかもね。だから、煙たがられてると思う。人から批判されたくないなら『動かない。口を出さない』が最良の策。それをやったら、人生、楽に生きていけるが、くそ面白くもないだろうね」と。
【追伸】
読者若者が「住職が度々法話で『出る杭は、打たれる。出過ぎた杭は、抜かれる』と。私の会社にも、それを仕掛ける上司が何人かいます。結果、やる気のある優秀な人間が、次々に辞職。当然、会社は衰退の方向へ。田中角栄さんが『やりたい様にやれ。責任は俺が取る』と。日本には今、この様な指導者がいないかな」と。
【追伸、別読者が】
大阪在住若者が「小倉さんとの対談で辛坊さんが『私が評価する人は、その立場に立った時に、俺に出来るか、出来ないか、が判断基準になる。その評価(志の高い人)の人を支える為に今後、政治家になる』と。私は、大阪都構想の実現を、今も望む。東北大震災の映像、津波の破壊力は尋常では。あれが東京を襲ったら、日本は確実にストップする。名古屋でも福岡でもない。大阪しかない。これは、大阪だけの問題ではない。住職が度々法話で『講釈言い、文句言いは動かん、と相場が決まっとる。建設的意見を持たず、ただの文句なら、3歳児でも言える。自分に気に食わん事を、口に出せばいいだけ。まあ、1歩下がって、不平不満はいいとしても、せめて、動いてくれている人の邪魔だけは。足を引っ張る事だけは、するな』と。全面的に賛成です」と。
【追伸、女性読者が】
読者女性が「昨今、本物の政治家が出てこないですね。揚げ足取りばかり。人の料理にケチ付ける人に限って、料理が出来ない人が多いですもんね。『じゃ、作ってごらん』と振ると、今ある材料で工夫して作れず、材料調達を。それも、高価な一流の材料を。他者が作った料理には『味がどうの、こうの』と煩いのに『これ、味見したのかい』と思える料理を、自信満々で出してくる。まず、我が器量を知る事が、先だと思うが」と。
【追伸、上記女性の意見に対し】
別読者が「住職は、この女性の意見、どう思いますか」と。「料理の例えに関しては、方々で同じ状況を目にする事があるかな。拙僧の家内だが、常に今ある材料で工夫し、パパッと料理を。日頃からそれに携わっている人と、そうでない人の差は、どうしても出るかな。政治においても、同じ様な事が言えると思う。文句言おうと思ったら、何とでも、どうとでも言える。じゃんけんは、後から出した方が、有利に決まっとるもんね」と。
【プロの話といえば、わが寺専属宮大工棟梁】
現在94歳宮大工棟梁が30年前、拙僧に「お寺を継ぐなら境内地に汗を落とせ」とお寺の修理を長年に渡り手伝わされた。「弘法筆を選ばず、とあるが、お大師さんは筆には拘ってたんだ。当然だ。ノミ、カンナ、ノコなどの道具は大工の命だ。拘るところを徹底して拘るがプロだ。若(私)、わしの仕事を見て、何かを悟れ」と。
【追伸】
この棟梁には、様々教訓を貰った。会社内(工務店)で会話中に棟梁、すくっと立ち上がり、作業場へ。弟子に何やら作業の上での注意を。「何故、間違った仕事をしてるが、事務所にいるのに、わかったの」と。「音じゃよ。鋸、金槌の」「音で、わかるの」「素人には、わからんよ。素人がわかる様じゃ、プロの職場とは言えんわな。若(拙僧)も、素人じゃ絶対にわからん、お経を唱える弟子の些細なミス、わかるじゃろうが」と。
【追伸、棟梁の教訓】
この棟梁が「女人高野、奈良長谷寺の国宝、五重の塔が台風の倒木で倒壊した事があったろ。責任者に任ぜられた50代の棟梁に『我を使え』と国中の名だたる匠が名乗りを挙げたが、50代の棟梁は『道具箱を送ってよこせ』と匠達に。わしでも同じ事をしたじゃろうな。道具箱のノミ、カンナ、鋸の手入れ具合を見れば、仕事が出来るかどうか、すぐわかる。人間性(人格)を判断する時、所作や言葉遣いを見るじゃろうが」と。
【追伸】
昨年の暮れ、この棟梁に「爺様、拙僧ね、白木の位牌に『行年 百歳』と墨書きしたは、5人だけ。最高齢は104歳。この歳を超えないや、超えんと葬式してやらんからね」と。「葬式してくれんか。困ったな。あと10年もあるぞい」「大丈夫。3年前、大腸を40センチ切った半月後にお寺に来て、仕事した人なんだから」と。
【上記棟梁に負けず劣らず、檀家婆様達が】
檀家若者が「昨年の暮れ、茶目っ気ある祖母が他界を。完全老衰だったが、最後は寝返りも1人では。臨終間際に父が『お袋、大丈夫か』と。それまで目を閉じていた祖母が目を開けて父に『大丈夫か、じゃと。今、死に掛けとる人間に、大丈夫か、とは何や。惚けた事を言っとったらお前、会社、倒産させるぞ』と。天晴れ」と。
【追伸、わが寺のお年寄り達】
わが寺の90歳以上の檀家婆様達に「長生きの秘訣は」と問うと、異口同音に「不平不満、拘りを持たん事じゃな。悩んでどうにかなるなら、悩んでも構わんが、成らん物は、成らんのじゃ。わしは何が嫌いって、自らは動きもせず、文句、揚げ足取り、講釈、人批判と、悪いが雑音にしか聞こえん。昨今、この雑音が増えた。信仰の世界でもそうじゃろが。『おかげ信仰(現世利益を履き違えた、今、幸せが欲しい)』だけを求める者や、先祖を祟りの対象や悪霊にしたり『あれが見えた、これが聞こえた』など、特別な物ではない信仰を、特別な物にしている者に限って、このコロナに対して過敏な反応をしよる。『今、おかげ(功徳)が欲しい。自分だけが助かればいい』が基本じゃから、その目的の為に他者を差別し、蹴散らしよる。住職が度々『コロナ収束後に起こるは、経済の格差だけじゃない。人間性の格差も』と。わしもそう思うで。皆、後悔せにゃ、いいが」と。
【追伸】
檀家婆様の言葉は他にも。30歳超えの曽孫娘の「よか男性は皆、結婚して、残っとるは』に対し「戦時中、金やら銀やら、皆死んで、残った中から、わしらは掘り出し物を見分けにゃならんかった。それも女の器量じゃ。類は類を呼ぶもんじゃ。分相応の相手しか見つからんわい。よか相手が欲しいなら、自らが向上せい」と。
【追伸、上記の婆様法話に対し】
読者が「ツイッターに投稿された法話の婆様、素敵ですね」と。「この婆様ですが、90歳超えた頃、社長をしている息子さんが『おふくろ、肉は少し控えた方が』と注意すると、じろっと横目で『お前、偉うなったの』と。息子さん、一言も返せなかったと。女性は良い子の『娘』が結婚して『嫁』となり、いつしか鼻に付く『嬶(かかあ)』となり、最後は、波風立てる『婆(ばあ)』と。常に変化し続ける女性に、男性が敵うはずがない。
【結婚話に関連して、夫婦の形は、様々】
内田裕也さんが「最期は穏やかで綺麗な顔でした。啓子、今まで有難う。人を助け、人の為に祈り、人に尽くしてきたので、天国に召されると思う。お疲れ様。安らかに眠って下さい。見事な女性でした」と。樹木希林さんは夫婦について「きっと感謝する時が来ますよ、両方で」と。夫婦の形は色々。『これ、正解』はない。
【追伸】
この言葉を聞いた檀家ご主人(65歳)が、拙僧の前で涙を零した。「この家内も希林さんと同じ様な女性。私は家内の最期を直視する事が出来るだろうか」と。すると、横に座る奥様が「好き勝手に生きてきたもんね。あなたの為に、私が先に死んであげるから、私と同じ天国に行ける様に、残りの人生を自分以外の人の為に、社会の為に、時間を費やしなさい。帳尻を合わせんと、また、一緒に暮らせないよ」「わかった。そうする」と。
令和 3 年 4 月分 金剛寺住職(コロナウイルス関連)短文法話 【その13】
人間の欲に歯止めが効かなくなった時、天はそれなりの人物(その他)を下生させ、荒療治を成し、リセットを。戦国時代には、信長公を。第二次大戦では、ヒトラーを。14世紀には、ペスト(1億人死亡)を。1918年には、スペイン風邪(5000万人死亡)を。地球は人間だけの物といわんばかりに、圧倒的に多い他生物の命(生息領域)を軽視し、自然破壊を繰り返し続けた結果、生態系が崩れ、方々で天変地異が。『そうすれば、そうなる。そうなったのに、まだ、そうするか』を自身に問い掛け『分相応に生きる』を、見直す時期に。
下記は、読者の質問に応じた拙僧の返答集。コロナ発生初期から、移り変わっていく人の心情が鮮明に。自然災に限らず、人生においても考慮すべき質疑応答にて。今後の参考にしていただきますれば、と。
【令和2年4月下旬法話読者の質問に答えて】
有事(災害)になる度に、福岡沖地震で全国の学校からの支援物資を受けた子供達の言葉が脳裏を。「箱中には使い古しの文房具、靴、服、下着。僕達は被災者だが、乞食ではない」と。当時高校生だった息子が「これを箱詰めしたは、間違いなく親だよね。どういう神経」と。自分にとって不要物を与えるを、施しとは言わない。
【追伸】
わが寺の檀家には、海上保安庁勤務の方が数人。彼ら曰く。「この子供達が言った事は本当ですよ。私達が支援物資を運びましたから。箱を開けて驚愕。『これは酷い。わが子がこんなのを貰ったら』と考えなかったのか』と、手渡せなかった品物が多数あった。勿論、そんな物ばかりでは。が、さすがに、心が冷えましたね」と。
【追伸】
子供達の言った「僕達は被災者だが、乞食ではない」に「差別用語(乞食)」と食いついた読者に「そこが論点ではないでしょ。子供達は素直にそう感じたんだと思いますよ。生まれて僅か10年前後、初めて当たり前の生活がなくなり、何がなにやら。恐らく、親からその点は、注意を受けていると思いますよ。大人は未熟だった頃を忘れて、子供に対応しがち。今日までに身に付いた、知識、知恵、経験で、人間は思考し、動きます。この知識、知恵、経験が増せば、思考も行動も視野も。成長を待ってあげるが、大人(親)の役目かと」と読者に。
【追伸】
東北大震災で宮城に嫁いでいた檀家の娘さんが震災後に北九州へ。親元には帰らず、近くのアパートを借りて2歳と4歳の娘と、必要最低限の生活必需品を揃えて生活を。「何故、実家に」と問うと「親子4人で津波に家が流されるを見ながら、山へ山へと必死に逃げました。今、主人は向こうで皆と復興作業を。私達だけが親元でぬくぬくとは出来ません」と。これが体験した人と、経験してない人の、温度差か、と。
【追伸】
わが寺の檀家で職務上、この支援物資に携わった方々が「心添えは有難い。が、本音を言わせてもらえば、箱を1つ1つ開封し、使える物、使えない物を仕分け、配布物と捨てる物に。圧倒的人数不足、時間不足、実働に多大な影響が。出来るなら、支援は援助金で。本当に必要な物が買えますので」と。現場を知る人の言葉。
【令和2年4月下旬法話読者の質問に答えて】
平成17年3月20日午前11時、彼岸法要5分前、ゴーという地鳴りと同時に大揺れが。山門の駐車場係が、お寺が大きく左右したと。とっさ「参拝者を死なすな」と亡父に手を合わせた。が、参拝老人達は平然と「ここで死ねたら本望じゃ」と。北九州は地震なき場所により製鉄所を開業と。もう日本は何処ででも地震が。
【追伸】
読者中学生から「上記法話で『人間、死ぬまで生きらにゃならん。さあ、どう生きる』の住職の言葉が脳裏を過ぎった。同時に『コロナは人の足は止めるが、時間までは止めんぞ。来春の受験は、必ず来る。学校、塾がないから勉強出来ん、とそれを言い訳にしてない子供達に、差を付けられるぞ』と。んっ、確かに」と。
【追伸】
読者母親が「この法話の中学生、凄いですね。わが子には、どう指導すれば」と。「拙僧の父(先代住職)は『人は教えられても身に付かん。人は気付かにゃ身に付かん』と。正論を押し付け過ぎたら、優しさが欠けますもんね。親が最もやる過ち、かな。この中学生の言葉を読ませてあげたらどうですかね。恐らく刺激に」と。
【令和2年4月下旬法話読者の質問に答えて】
檀家爺様が怒り爆発。「他国に比べ爆発感染も、死者数も。それが国民の緊張感の無さに。「緊急事態宣言遅い」と文句言いが。早く出てたら従ってたのか。今現在でも禁止事項守らん者達が。昨日、お寺の藤の花を、数多切り落とす報道が。花があったら大勢の人が、と。可哀想に何の罪もない花の命を。この後に及んでもまだ、何かを犠牲にせにゃ、人間は自らで自粛は出来んのか。何でもかんでも、何かに責任転嫁しよってからに」と。
【追伸】
檀家爺様、藤の花伐採には、かなり怒りを。「自然破壊を繰り返し、生態系を狂わせ、共存生物の逆襲を受けておりながら、まだ、他の命を犠牲に。自分の足も止める事も出来んのか。人間の命だけが、命じゃなかぞ。野党も与党に文句言う暇があるなら、解決策を提示せい。気骨ある人間、いないのか。そんな事じゃ、仮に与党になっても何も出来んわい。多額のお金が掛かる選挙など、このコロナ時期には、到底出来ん。揚げ足ばかり取らずに、親父(総理)の心を奮い立たせるぐらいの斬新な提案を出してこんかい」と、何故か、拙僧が怒られた。
【令和2年4月下旬法話読者の質問に答えて】
檀家の家で中学生と番組『知恵泉』で細川ガラシャの生涯を。「住職、『講釈師、見てきた様に嘘を付き』と。歴史上の人物の人間性、生涯の流れはこうだ、と資料書に。僕らが自分で正否確認出来ん事を、真実として覚えれ、と国も、先生も。まるで洗脳だよね」と。「その心があるなら、君は、コロナ差別は大丈夫だな」と。
【追伸】
この中学生に「史実は『四(史)割が事実で、六割嘘』と。『勝てば官軍』側が都合いい様に脚色。リアルタイムでも、友達など第三者に話をしたら、違う内容で方々に伝わっていくだろ。口の数だけ、幾つもの物語が出来上がる。何事も、大局的に見る目を養い持つ、が大事かな、人間界は。2月、3月で、忙しい仕事(合格祈願の受け入れ)をされた菅原道真公(天神様)も、また同じ。皇族闘争のとばっちりを受けて、太宰府に左遷。その地で道真公は非業の最期を。その後、京では、関わった方々が次々に変死を。そうなりゃ当然、道真公を怨霊扱いに。道真公の御霊を鎮める為の手立てをあれこれと。最後は、北野天満宮の天神としてお祀りを。人の都合で、怨霊にされたり、神にされたり、忙しいこって。何か、道真公、可哀想だね。上(浄土)で『わしがいったい、何をしたというんだ』と頭抱えて溜息を、じゃないかな」と。すると、この中学生が「何でもかんでもコロナのせいにしてる、今の状況に似てるね。いつの時代も人間は、自分の事は棚に上げて、責任は第三者に」と。
【令和2年4月下旬法話読者の質問に答えて】
新社会人講演で「拙僧が今に至るまでに教訓となった言葉の1つに『寺内僧侶が飢えます。外で教員を』と願い出た高田好胤さんに師匠橋本凝胤さんが放った『坊主が二足の草鞋を履くな。真面目に懸命にやって、それで食えずに死んでも、お前に罰は当たらん。安心して死ね』が。土俵際に追い込まれれば、人は必死に」と。
【追伸】
昭和30年頃の薬師寺は殆ど廃寺状態。訪れた米国人が「こんな立派な薬師如来様をこんな粗末な所に。米国に売ったらどうだ」と。これに対し好胤さんが「仏を売るが坊主の仕事ではない。仏心を売る『提供する』が、坊主の仕事」と奮起。写経『心経1巻千円』百万巻と説法だけで、薬師寺再創建を。為せば成る。為さねば成らぬ何事も。成らぬは人の為さぬなりけり、かな。昨今、薬師寺東塔が1300年振りの大改修を。昨年の5月9日、10日の落慶法要が延期に。なるべく速く、開催されればいいですね。ご縁に会いたいですね。
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