令和 元年 12月分 金剛寺住職短文法話集
この短文法話の中で最も反応が大きかったのは「出会うは運命、出会ってからは努力、最後の別れには感謝」の言葉。夫婦、親子、友人など、人間関係全てにおいてこれは。目を閉じる時、後悔のない旅立ちを。
金剛寺ブログ :https://blog.goo.ne.jp/junko-0808
金剛寺ツイッター :https://twitter.com/kongouji093
金剛寺フェイスブック:https://www.facebook.com/天徳山-金剛寺-1543297575974719/
金剛寺インスタグラム:https://www.instagram.com/tentokuzan_kongouji/?hl=ja
0406 「やっぱ、女性は生き物が違う。所詮、男性は掌の上にて」
獣医さんて凄いですよね。人間なら「痛い、違和感が」と問診対応が出来るが。そう考えたら母親も凄い。赤子の泣き方一つで、今何を欲しているか大方の理解が。観察力が研ぎ澄まされとるんでしょうね。そりゃ、子供やご主人の嘘なんて簡単に見抜かれるわ。味方にしたら心強いが、敵にしたら、これ程怖いものはない。
0407 「恩は着るもの、着せるものに非ず。受けた恩はこの身が死ぬまで消える事は」
今でも着物等に付くナフタリンの匂いを嗅ぐと亡き祖母を。喘息発作が起こる度に病院へは常に祖母が。両親の離婚で母不在為、本当にお世話に。拙僧の疑問も不満もまずは受け止め、その後に教訓を。その姿が今、住職としての私の心得「まずは聞く」に。医師の「手当て」も文字通り先ず触診、問診。そうされると安心。
0408 「父親が56歳の時に授かった事から、五十六と言う名前に」
山本五十六さんの教訓に「言って聞かせて、して見せて、褒めてやらねば、人は動かん」が。言って聞かせる為には、それを十分に理解しておかんと。やって見せるからには、それを完璧に会得しておかんと。褒めてやる為には、その人の技量を把握し我慢の心を持たんと。上に立つ人の最も大事な心得かな。子育ても同じ。
0409 「あの世の1日この世の50年か。なら信長公が逝ってまだ9日か」
信長公が好んだ「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」は、あの世の1日この世の50年の意。それが本当なら死別しても、半日後にはまた、親に会えるという事か。なれば、必要以上に寂しがらんでもいいかな。だとしたら、天から見たら人間の拘った生き方は滑稽だろうね。くよくよする暇など、なかぞ、と。
0410 「もちっと素直に受け取れんもんかいな。講釈言い、文句言いは、損するよね」
生老病死の四苦八苦は逃げられん。この世の物は全て変化(諸行無常)し続けている、と説く釈尊が大事なお弟子が先だった折、悲しみに泣き伏せったと。「これって、どうなんですか」と屁理屈こきが。「あのね、悲しい時に泣くな、嬉しい時に笑うな、と誰が言った。固執するな、拘るな、と言ってるだけ」と。正直が一番。
0411 「人間、出会うものには、出会うようになっとる。それも一瞬早くも、遅くもなし」
小坊主が初めて彼岸参りを任され、檀家の所へ。読経中お接待の場に赤子が這って来て、おチンチンを触った手で茶碗のご飯を。読経後「どうぞ」と。腹の調子が悪いと丁重に。数日後、別件でその家へ。お接待で甘酒が。「美味しい」と飲んでおると「先日あなたが食べなかったご飯で」と。逃げられんもんは、逃げられん。
0412 「西遊記で有名な三蔵法師は、実在の人物にて」
有名なお経「般若心経」は実在した三蔵法師の実績。262文字の意味は「ギスギス、くよくよ生きるな。おおらかに生きよ」と。特に「眼耳鼻舌身意」は「見たい物だけ見る目なら、聞きたい事だけ聞く耳なら、言いたい事だけ言う口なら、そんな物はいらん」と。毎日読経してるが一向に進歩が。意識改革は難しいですな。
0413 「どんな手を使っても土俵に上がれ。上がらにゃ相撲は取れん」
道が開けんと嘆く若者に「使える物は、使いな。『俺一人の力でここまできた』なんて人間は、一人もおらん。片意地張っても、土俵に上らにゃ、相撲は取れん。『親の世話にはならん』なんて、つまらん拘りは捨てな」と助言を。が、結局10年経っても。その彼に「親の立場は健在かい」「はい」「なら頭を下げて力を借りな」と。
0414 「少子化は、国の存続の問題。50年後には人口6千万、国力も半分、と国が予想を」
女子高校生が「昨今は、結婚拒否、晩婚で子供が授からない、から少子化に歯止めが。また、親の身勝手で孤児院には数多の。血縁関係がなくても養子という考え方、住職はどう思いますか」と。「檀家には、取り嫁、取り婿で、家の中は全て他人という形態も。その気遣いは予想以上。が、何か手を打たねば、この国は」と。
0415 「安物買いの銭失い、は銭勘定の事ばかりじゃない」
巷では、坊主宅急便が物議を。早速に偽坊主問題が浮上。賛成派は菩提寺が遠方だから、と。なら、その菩提寺に居住地域のお寺の紹介を願えば済む事。そこに相談出来ない時は、寺事情に詳しいその地域の仏壇屋さんに聞くが一番。「何宗で人望厚き住職が座るお寺を紹介して下さい」と。現在は全てがその場凌ぎの社会に。
0415 「この世には、これ正解、と言われるものはない。常に構えておくが大事」
11年前の3月20日午前11時、彼岸法要開始5分前、ゴーという地鳴りと共に突然大揺れが。寺下駐車場係が大きくお寺が左右した、と。とっさ亡き父に「檀家を殺すなよ」と手を。本堂内ご老人達はといえば平然「ここで死ねたら本望よ」と。北九州は地震がないとして、製鉄所が起業地に選択。もう国内はどこでも。
0416 「史(四)実は、四割事実で六割が嘘と。切腹させられた事だけは、事実かな」
京都大徳寺楼門と言えば、雪駄履き木造奉納で秀吉公から切腹させられた千利休が脳裏を。が、切腹理由は別かな。露店の我楽多壺が利休が『価値あり』と目利きすれば忽ち黄金に。秀吉公は物の価値を一定にする事が天下統一の基盤と。邪魔者だったんだね。百姓が天下人に、あかんと。所謂、バブル根絶が狙いの下知かと。
0417 「亡き父は常々『自分の為だけに努力している者は、自分が努力しただけしか実りはない』と」
薬師如来坐像奉納が決まり、関係者を連れて宮崎県の銘木店へ。台座から光背の上まで1m半の高さ、最低でも直径1m長さ3mの楠が。かなりの高価と覚悟。が、銘木店社長「我々は樹齢数百年の木を切り倒して生活を。やっと御礼報謝が出来る」と、2年間の乾燥代金まで含めて、なんと10万円で。縁は不思議にて。
0418 「力もないのに、権利だけを求めても。」
先日、経営者数人と話す機会が。「世の中派遣社員問題で会社側が非難を。『この人間は当社に必要な人材だ』と判断したら必ず正社員に。利益をもたらす人材は離さない。派遣を渡り歩く人間は、結局派遣止まりの働きしかしてない。制度に文句を言う前に、認められる人間に」と。こんな社長達もいる。まず、力を付けよう。
0419 「自分勝手が通る世界はない。多くの自分勝手に潰されるだけ」
昨今は、自分の基準で動く人が数多に。寺内でも納骨堂の線香立てに煙草を。故人が好きだったのはわかる。が、吸い殻はその都度、誰かが片付けを。一部の人だが、本堂内に犬や猫を。自分が好きだから皆も、と。参拝者には匂いを嫌う人も、アレルギーの人も。公共の場の心得が全くない。基本から注意せにゃあきまへんか。
0コメント