令和 2 年 1 月分 金剛寺住職短文法話集
この短文法話の中で最も反応が大きかったは、「出会うは運命、出会ってからは努力、最後の別れには感謝」の言葉。夫婦、親子、友人など、人間関係全てにおいてこの流れは。目を閉じる時、後悔のない旅立ちを。
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0420 「人間の目に見える物、耳に聞こえる物は、全て何かの訓示を」
檀家小学生が「お不動様は何であんなに恐ろしいお顔をしてるの」と。「不動明王は人間の一番厄介な喜怒哀楽を包み込んでくれる仏さんでね。必死に導こうとするあまり、あんなお顔に。人も必死になったら、あんな顔にならんかい。こんな顔になるまで一生懸命に何かを頑張ってるか、と人間に問い掛けてくれてるんだよ」と。
0421 「結構おりますよね。自分は動かんくせに、文句、講釈だけ言う人」
読者が「嫌味な叔父が『墓が草ぼうぼうだったぞ』と鬼の首でも取ったかの様に。偶に行くとこれだ」と。「常日頃、墓参りに行く人なら梅雨時期、1週間も経てば草ぼうぼうは。『私は全く墓参りなど』と叔父さんは、自らの諸行を自らが世間に暴露してるに同じ。子供が何人いても、親の老後を世話、墓守するは限られた人」と。
0422 「人間の世界は、生老病死の四苦八苦。どの立場の人間にも苦しみは」
拙僧の前で若者2人が口論を。裕福家庭側が「親の過保護下で何不自由なく育てられた苦悩が、お前などにわかってたまるか」と。対し、親の離婚で親戚預かりになった側が「大人の顔色ばかりを気にする生活がどんなものか、お前などに」と。「君らはお互い、相反する環境で生きてきたからこそ、引き付け合うんだろうな」と。
0423 「産まれた途端、目の前に地獄が待ってる子供も。たまらんね」
拙僧、学生時代に家具屋で働いていた時、あるアパートへ箪笥を配送。そこは13歳の男の子が1人暮らしを。後見人は叔父と叔母。部屋の中へ入るとゴミ屋敷。畳も見えず、歩く度に硝子の割れる音が。そうした中、叔父が「あいつ(男の子)はどこだ」と包丁握って怒鳴り込んできた。こんな環境で生きる子供もいるんだ。
0424 「受けた恩、やらかした失敗、覚えている内は同じ失敗は。が、忘れた途端に」
戦国時代、隣国の塩止めに対し、上杉謙信公が甲斐武田へ塩(敵に塩を送る)を。数百年経った今でも信州松本では、塩が送られた1月11日を塩市として御礼報謝を。京都の地蔵盆は、明智光秀公の京都所司代時代が最も平穏であった事から、そのご恩に報いる為始められたものが今に。何か日本人って、いいと思いませんか。
0425 「病気は気から、じゃないからドクターの仕事がある、と知人老医師が」
企業幹部講演で「老母に連れ添われ、女性がお寺へ。専門医のうつ病診断がショックで、更に悪い状態に。否定してやる事で改善に繋がれば、と「君の症状は、うつ病とは違うと思うよ」と、時間(日数)を掛けて癒していくと回復の兆しが。勿論、これは成功した事例。が、現状否定、現状打破で、心が快方に向かう事も」と。
0426 「人間には、心休まる場所が絶対に必要。人は、そんなに強くはない」
後輩住職が「気を抜く時ってありますか」と拙僧に。「あるよ」「どんな時ですか」「家内と2人だけの時かな」「どうなるんですか」と興味津々で。「こればっかりは、他人には見せられん。人前においては、嫌が上にも、住職でござい、という姿を貫かんとあかん。唯一、心休まる場所は、女房殿。人はそんなに強くはなかばい」と。
0427 「家族葬は、私達はあなた方と付き合うつもりはない、と世間に公表してるに同じ」
長年費やして信頼、実績を積み上げてきた方が、たった一度の過ちで奈落の底に。本人以外、子供や部下の過ちでもその報いを。葬儀でも同じ事が。故人から恩を受けた方々を含め、当然知らせがあると思っていた人達が「この家族にとって、私達は不要なんだな」と不信感を抱き、その後の親交を、という話はよく耳にする。
0428 「散々世話になった方を。亡くなったら恩まで消えるんかい、という人、少なからず」
拙僧は納骨堂契約希望者には少々厳しい言葉を。「わが寺の納骨堂は要らない物を置かせる、捨てさせる場所じゃない。何年も姥捨山の如くしたら、遺骨は突き返しまっせ。受けるこちら側は大切に預かります。預ける貴方もその様な心で」と。姥捨山のつもりで来られた方は、契約せずにそそくさと。結構この手の方々が。
0429 「人は教えられても身に付かん。人は気付かんと身に付かん」
檀家小学生が「自分にとって一番大事な人、という判断は」と。何か、思うところがあったのかな。「まずは今、死んでもらったら困る人。今一つは、命の期限を区切られた時『この人だけにはお礼を』という人、かな。人が一生を生きる為には、どれだけの人の支えが、必要なんだろうね」と。後日、母親からお礼の電話が寺に。
0430 「夢と現実の見極めは大事。秀吉公は、天下人は、天が決める、と」
将来起業を、と夢を持つ若者との会話で「まず、自分が孤独に耐えられる人間かどうか、を自分自身に問い掛けてごらん。トップは如何なる畑でも孤独。今一つは、子供時代、仲間内で引っ張る側にいたか、引っ張られる側にいたか、これもある意味参考になるかな。将棋は、王将ばかりが駒じゃないよ。見極めは己自身で」と。
0431 「人間関係で割り切れるものなど。無理矢理割り切り、わが心と折り合いを付けるだけ」
学校保護者会で「文句言い、講釈言いの人間は、それその物の本質を理解していないのが多い。世の中に、これ正解、なる物は何一つも。自分にとって、正解か否かだけ。が、それを主張し過ぎれば、人間関係が崩れ、最悪、虐めへと。昨今、拙僧周囲では教職員間での虐め、保護者からの嫌がらせで、3人が辞職。あかんで」と。
0432 「思えば、人間ほど愚かな生き物は。嘘を付くも、騙すも、誤魔化すも、人間だけ」
代議士に「石川五右衛門が時世で、浜の真砂は尽きるとも世に盗人の種は尽きまじ、と。これは真理。悲しいかな、人間の歴史は、殺し合いの歴史にて。新たな命の誕生と共に、新たな欲が次々と誕生。人間を育てるは世相、世相とは大人の行動。そう考えると、子供を取り巻く環境改善に力を入れるしか、世の中の改善は」と。
0433 「知らない事は知らん、という姿勢。信用度100%だね。なかなか出来ん事」
大半の神社は「二礼二拍手一礼」が、基本所作。が、大分県の宇佐神宮だけは「二礼四拍手一礼」にて。その謂れが書かれた立札には「いつ頃から何故にそうなったか、など知らん。昔からその様に。よって、これを貫く」と。天下の宇佐神宮が「知らん」と言い切りおった。普通なら適当に繕うものを。この姿勢には感服した。
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